「社会保険未加入」での節約は続かない(そもそも法律違反)
- 2017.08.25
- 会社経営
法人は社会保険(この記事では健康保険と厚生年金の意味)に加入しなければいけません。
業種や人数、規模は関係ありません。
社長ひとりの会社でも加入しなければいけません。
設立間もない会社は加入していないケースが少なくありません。
(顧問先がそうだということではなく、また加入しないことを推奨しませんが)
「実はうちも加入してないんだよね・・・」という気持ちは分かりますが
いつまでも続きません。できるうちになにか手を考えたほうがいいでしょう。
確かに社会保険の負担はバカにならない
健康保険と厚生年金を合わせた負担は大体、額面給与(+通勤手当)の約15%です。
例えば額面30万円の人を雇えば
社会保険料は30万円×15%=45,000円になります。(実際はこういう計算ではないですが)
45,000円は給与から天引きしますので、従業員の手取りは255,000円です。
(実際は雇用保険料や所得税、住民税も天引きされるので手取りはもっと下がります)
また、社会保険は同額を会社も負担します。
なので、従業員が自由に使えるお金を約25万円渡したいと思ったら
会社は30万円+45,000円=345,000円を負担しなければいけません。
本当の利益ではない
社会保険に加入しなければ社会保険料がかからないので
その分経営は安定します。
ただし、社会保険に加入しないといけないルールに反しているので
本来の姿ではありません。
未払い残業や給与の遅滞などと同様に
社会保険の未加入は会社の評価を落とします。
会社の資金繰りや経営状況(粗利が足りない、ムダづかいしすぎ、人が多すぎる)
などを見直して加入しても会社が回る仕組みを検討してみてはいかがでしょう。
後述のとおり、近いうちに加入が避けられない状況になるかもしれません。
影響があるのは会社だけではありません。
従業員さんが将来もらえるはずだった年金がもらえないし
万が一があれば、家族が受け取れるはずだったお金が受け取れません。
加入漏れの取り締まりを強化中!加入は逃れられない
以前は何年(何十年)も未加入でもなにも言われないケースもあったようですが
最近では年金事務所も取り締まりを強化しています。
かれらは存在する会社のデータを握っていて、未加入の会社はバレているようです。
未加入だと「加入のご案内」が届くと思いますが
それでも無視し続けると
「○月○日までに加入しないと2年間遡って強制的に加入させます」と
さらなる通告が届くようです。
いまは建設業で未加入が多いようなので
未加入だと公共工事が出来ないようにするなど、年金事務所も本気です。
まとめ
社会保険未加入はいつまでも続けられません。
そして人を雇えば社会保険の負担が増えます。
どうしようもない状態になる間に会社の状況を見直してみてはどうでしょう。
もしかすると拡大路線、増員を追求することが会社にとって
必ずプラスになるとは限らないかもしれません。
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