会計データ入力の外注についての私の考えとメリットデメリット
- 2021.05.20
- 経理
経営をしていると、売り上げや経費を会計データとして入力する必要があります。
経営者の方が自ら行ったり人を雇って入力してもらう、または、契約している税理士の頼むことが多いです。また、頼む先は税理士だけでなく、記帳代行会社や経理代行会社もあります。
入力を外注で頼むことは、いくつかメリットとデメリットがあります。
どちらがいい!よりも・・・
会計データを税理士が入力すること(記帳代行、とも呼ばれます)について、
いろいろな税理士がそれぞれの立場で考えがあります。
外注で頼むかについて私は、中立の立場です。
要するにどちらでも、ということです。
外注に対する私なりに考え方はありますが、まずお客様の判断、要望次第と考えています。
入力を依頼いただけるなら適切な料金でお受けしますし、
逆に、お客様ご自身で入力してみたい方にはそのサポートはさせていただきます。
そして、お客様に判断していただくうえで入力を外注することの
メリットとデメリットをきちんとお伝えすることが欠かせないと考えています。
入力を外注するメリット、デメリット
メリット
正確に入力してくれる
税理士などのプロは入力に慣れています。
なので、正確でスピーディーな入力が期待できます。
また、会計の数字は単に過去のことを数字のしただけではなく、現在の業績が現れますので経営判断に欠かせません。
正しい処理が求められますし、同じ内容でも勘定科目に違いで外部の評価が変わることがあります。
本業に専念できる
外部に入力を頼めば、代表自ら入力する時間がなくなり本業に専念できます。
不慣れな入力作業でストレスをため、貴重な時間を失うのはもったいないです。
人を雇わなくていい
誰かに頼むなら人を雇ってお願いすることもできます。
ただし、経験上、経理要因で雇っても経理専属にするほどの仕事量がないので他の業務と兼任してもらうケースが少なくありません。ほかにやってもらう仕事があればまだ良いですが、コロナ禍のように、急に仕事が減り、やることがないなんてこともあり得ます。経理で採用した人が経理以外の仕事を望んでいるかも気になります。
コスト削減
人を雇うと雇用主の都合で辞めてもらうことは難しく、人件費が重荷になったときの解決が難しいです。また、雇用を維持するためにより多く仕事を取ったり事務所を大きくしたりとコストがかかります。
デメリット
社内に経験や知識が蓄積されない
外注はお金を払えば入力してくれるので便利ですが、入力の知識が社内に蓄積されません。
そろそろ社内で経理担当を置いて、入力してもらうかな、と思っても社内に経験や知識の蓄積がないのでスムーズに移行できません。
会計の数字が上がるのが遅くなる
経理資料を外部と共有するため、共有するタイミングが遅いとそれだけ会計の数字が出てくるのが遅くなります。経営判断のために業績を見たくても1、2か月(それ以上も)遅れて数字が上がってくることもあります。
資料を共有する時期や方法、ITを使うことである程度解消できますが、社内で入力するよりは遅れがちになります。
セキュリティ、情報漏洩
外部に情報を出すということは、その分情報が外に漏れるリスクも高まります。
社内でセキュリティ対策が万全でも、外注先はわかりません。
また、外注先で複数の人が入力していると不特定多数の人にあなたの業績を見られている可能性があります。
まとめ
どんなことも表裏一体でメリットとデメリットが視点を変えれば逆転します。
ビジネスにおいては、常に選択の連続なため、
一方を選択したことでもう一方の良さを受けられないことがしばしばあります。
悪い面ばかりを気にするのではなく、メリットをいかしてうまく付き合っていくのが良いかと。
そのためにもどちらを選択するかの判断をする材料をどこから仕入れるかが大事になります。
私が「どちらがいい!」と思うかよりも、
お客様が何を望んでいて、私がどう応えられるかのほうが大事だと思います。
ですので、税理士が会計データを入力することのメリットとデメリットをご説明し、
そのうえでのご判断を尊重すべきかと。
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