会社を作るなら先に税理士に相談しておいたほうがいい!、というお話
- 2021.06.02
- 会社設立
数十年前に比べて会社を作るための制限が減ったため、会社を作りやすくなりました。
また、最近はクラウド会計ソフトのシステムを使えば、
必要な書類を簡単に作成できるようになったので、会社を作る難易度は
かなり低くなってきました。
なので、専門家に相談しないで会社を作ることも可能になりました。
それでも、作る前に一度専門家に相談したほうがいいと思っています。
自分で会社をつくることも可能
冒頭に書いたとおり、昔と比べると会社を作るのは非常に簡単になりました。
(昔に比べて、です。)
会社を作るとなると、決めることや調べることがいろいろとあります。
たとえば、
・事業目的を決める。
・会社をどこ(の自治体)につくるか。
・資本金をいくらにするか。
・だれに、いくら出資してもらうか。
・誰が役員になるか。
・設立手続きはだれがやるのか、専門家に頼むのか。
・どこで手続するのか。
・専門家に頼むならどこにいる誰に頼むべきか。
登記書類までクラウドで作成可能
会社を作るときの難関として、定款の作成と、登記書類の作成があります。
どちらも会社を作るために形式どおりの書類は作って、役所に提出するのですが
「定款」、「登記」といっても日常生活で接することがなくなんとなく難しく感じます。
自分で作れなくもないのですが、難しい場合は司法書士にお願いして作成や提出を代行してもらいます。
ただ、今ではクラウド会計ソフトのシステムで書類の作成までできます。
それらの必要事項をフォームに入力すると書類ができあがります。
上で書いた資本金や役員を決めておかないといけませんが、
ふつうは何を決めないといけないかもわからない状態だと思います。
フォームで必要事項の入力を求められ、あとで修正できるので
その都度決めていってもいいと思います。
指示通り印刷、押印、郵送すれば専門知識がなくても自力で会社が作れます。
会社を作りたい理由
会社を作るまでは司法書士の領域ですが、
作る前に決める内容や作ったあとに必要な手続きは
税理士がかかわることが多いです。
私も両手では足りない程度、会社設立にかかわったなかで
会社を作りたいかたの理由は次のような理由が多いです。
1、個人事業や副業でやっていた事業が軌道に乗ってきたので会社にしたい。
2、対外的な信用のため個人事業主より会社のほうがいい。
3、会社にすると税金や社会保険の節税になるらしい。
4、事業をするなら会社を作らないといけないと思っていた。
1や2は話を伺うと「うんうん、なるほど。確かに会社にされたほうがいいですね」
というケースがほとんどです。
他方、3や4の場合は状況を聞いて会社を作らないことをオススメすることもあります。
4は誤解されているだけのケースが多いでの納得いただくことがほとんどです。
3が意外と多く、納得していただくのに苦労したりします。
もちろん、節税になるという側面はあり、会社にしたほうが得するかたもいます。
ただ、個人のままのほうが節税になる(つまり、会社にしたことで個人事業以上に
お金がでていく)ケースもあります。
「どこで節税になるとお知りになったのですか?」と聞くと、
「(公共機関でないサイトで)ネットに書いてあった」とか
「知り合いの経営者がいっていた(やっている)」
など、なかなか眉唾なものも多いです。
得てしてそういった情報源は結果についての責任を取ってくれることはないのですが。
知らずに作ってあとで後悔
確かに今は、昔に比べると専門家に頼らなくても会社を作りやすくなりました。
ただ、それは手続き上や最低限必要なお金のハードルが下がっただけです。
会社は作るとき以上に作った後が大事です。
はじめに詰めていなかったために、後々でトラブルになるケースを見てきました。
ですので、会社を作る前に司法書士や税理士に相談する方が少なくなく、私もそれをオススメします。
(私が税理士だから、ということではなく)
税理士に相談しないで会社をつくった場合の失敗例として、次のようなことがあります。
(少し具体性に欠ける点はご了承を・・・)
・資本金が少なすぎて融資が受けられなかった(融資希望額に全然足りなかった。)
・知り合い同士でお金を出したが、あとでもめた。
・半年に一度払うと思っていた税金が本当は毎月払わないといけなかった。
・2年間は払わなくて済んだ税金を一年目から払うことになった。(そして払っていなかった。)
・届出書1枚を出していなかったせいで、数百万円の税金還付を受けられなかった。
・役員の給与をもう少し低くしていれば、来年消費税を払わないで済んだ。
・役員の給料が会社の経費にならなかった。
特に税金の失敗は、すぐに表に出てこないものです。
数か月後に「納付されてませんよね?」とお尋ねがきたり、
数年後に税務調査が来たときにはじめて指摘されたりします。
もちろん、その時点で気がついても失敗を取り返す手はなく、
追加で払うことになった税金、プラスでペナルティを払うことになります。
払うことになった税金の金額が多いほど、また、指摘されるまでに期間が長いほど
ペナルティの金額は多くなります。
なので、払った税金とペナルティをまとめると
専門家に相談していたほうがはるかに安くついた、なんてことになりかねません。
「お金もったいないし税理士は決算になってから頼めばいい」と、考え
税理士に相談しなかったために、余計な税金を払うかたがでないことを祈ります。
顧問契約しなくても単発で相談する
税理士は顧問契約しないと相談にのってくれない、と思われるかたがいるかもしれませんが
単発で相談に応じている税理士も多くいます。
私も単発でご相談やコンサルティングをお受けしています。
単発の相談で料金はかかりますが、顧問契約のような継続的なコストは発生しません。
(相談から顧問契約を迫ることは一切ありません)
これから会社を作りたい、すでに使ったけど気になっていることがあれば
相談して悩みをクリアにされたほうが後々良い結果になると考えています。
(私自身の営業トークではなく、皆様の事業にとって、という意味でです)
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