税理士事務所で家族を雇わない理由

税理士事務所で家族を雇わない理由

私は正社員やパートさんを雇わずひとりで税理士業をしています。
人を雇わなくても、配偶者や親族に働いてもらい必要経費になる形で給料を払っている、家族経営のような税理士事務所はあると思います。

私は結婚して妻がいますが、税理士業を手伝ってもらい給料を払うことはしていません。
自分なりに考えがあり、昔から独立しても家族に事務所で働いてもらうつもりはありませんでした。
今後もするつもりはありません。

 

給料を払えないかもしれないから

随分と後ろ向きな理由にみえますが、家族に事務所で働いてもらわない理由のひとつは、売上が下がったときに給料を払えないかもしれないということです。

「じゃあ、売り上げ増やして給料払えるようにしればいいじゃん!」、と言われれば、まあ確かにそのとおりではあるのですが・・・
方針として「私ひとりで対応できる範囲で仕事をしよう!」という、事務所運営にしているので、それほど多くの仕事をこなせるわけではありません。

ということで自分が十分な収入を得られるラインを目標でやっています。
そんな今の状態ですので、自分以外の誰かに生活していけるだけの十分な給料は出せません。
私の取り分を減らすか、人を雇う前提でもっと仕事を取って収入を増やさないといけません。

仮に人を雇えて一人分の給料が出せる状態になったとしても将来的に継続して収入があるか分かりません。
一気にお客さんがいなくなってしまうかも知れませんし、私の身体やメンタル的に仕事ができなくなる可能性もあります。
(今なにか病気があるとかではなく、一応毎年健康診断は受けていて特に問題はないです)

これは拡大しない、人を雇わない(雇えない)理由でもあります。

 

家計の収入源を複数にしておくため

収入源が集中してしまうことも避けています。

家族で事務所を運営していれば、外部から人を雇うよりある意味気楽かな思います。
採用広告にお金をかけたり面接をしたりする必要がありませんし、突然やめてしまうこともないでしょう。

事業会社で人を雇るプロセスをかじった立場としては、家族経営できることは採用面で見ると恵まれた環境だと思いますし、事務所の運営を安定させやすいでしょう。

ですが、家族で運営していると家族でひとつの収入源しかないことになります。

もし家族全員が税理士事務所で働いてて、事務所の収入だけで生活しているとして、何かがあって税理士業の収入がなくなったとしたらどうなるか。

それは家族の収入がなくなることを意味します。
なので、収入源がひとつしかないことは非常にリスキーだと思っています。

税理士業は顧問契約があるので比較的安定して収入を維持できますが、それでも私は、収入がゼロになること可能性を考えています。

これは、独立したからというわけではなく雇われている状態でも同じだと思います。
突然会社が倒産したり、部署整理があったり、働けなくなる可能性は常にあります。
気にしすぎてもしょうがないですし、備えておくことは必要かと思います。

妻にも結婚前に「独立しても奥さんを雇う気はない」と話していました。
妻も当時から男性の収入だけで生活するつもりはなく、独立後も働くつもりでいてくれていました。

余談ですが、妻とは金銭感覚やこのあたりの感覚があうので一緒にいて心地よいです。