お客さまのためにサービスの料金を明記しておく
- 2022.04.12
- 仕事観
先日、とある税務のサービスに申し込もうと思い、検討していました。
ホームページでサービスの概要を調べて、いいな、と思ったのですが料金を理由に保留しています。
「料金を理由」といっても、料金が高いと感じたからではありません。
「いくらかかるか分からなかった」からです。
メニューに料金が出ていない
冒頭で検討していたサービス。
提供しているのは、昔から専門書を多数出版している会社です。
聞いたことのない怪しげな会社であればともかく、特に心配のない会社です。
今回に限らず、料金が明記されていないケースは珍しくないです。
ホームページなどでサービスの説明はあっても、料金については「料金の詳細はお問い合わせから」となっていることがあります。
似たようなケースで「最低〇〇円~」というのも。
このケースも料金がわかるようで、全然わかりません。
最低いくらかかるのかはわかりますが、じゃあ自分が使いたい方法だといくらになるのか、この書き方だとわかりません。
結局「それは問い合わせてね。」ということになります。
いくらか分からないお店は入りにくい、頼みにくい
私は何か買ったり、頼むときは料金がわかりにくいものは、すぐに選択肢からはずしてしまいます。
サービス内容だけでなく、いくらかかるかも含めて検討材料となります。
必要があって検討しているので、できれば早く利用したいです。
でも、料金が分からないと、どれだけ請求されるかこわくて申し込むわけにいかず。
といって、検討の前段階である材料を集める作業に使う時間(問い合わせと、営業との面談)は極力減らしたいです。
なので、問い合わせないと料金が分からないモノやサービスはご縁がなかったと考えるようにしています。
話は違いますが、飲食店のランチメニューには料金が書かれているのが普通です。
高級店だったり、「時価」というお店はあるかもしれませんが、そういうケースはおいといて。
お店に入って、席に座り、メニューを選んで、「それは○○円です」と、そのタイミングで料金を知ることはないでしょう。
ランチは、そのときの気分と懐具合に相談して何にするか考えるわけで、料金が分からないとお店に入ることすら躊躇します。
サービスの料金は問い合わせないとわからないというのは、ランチの値段を店内で聞かないとわからないのと似ているかなと思います。
問い合わせをしてもらうことで、検討している見込み客との接点を増やす、という意味では効果的でしょうし、それがひとつの営業方針なのだと思います。
でも、私にように料金を知るために問い合わせすることを煩わしく感じるかたも一定数いるでしょうし、そういった人からの依頼を失注しているのではないかと思います。
(それも分かったうえでの営業方針なのでしょうが)
料金を明記するのはお客さまのためにもなる
ここまでお金を払う側の視点で書いてきましたが、一方で私は事業をしています。
ですのでサービスを依頼される立場にもあります。
自分で煩わしいと感じている分、ホームページにはサービスごとに料金を明示するようにしています。
税理士の仕事は、製造や卸小売りのように何かを仕入れて売るビジネスではありません。
知識だったり作業に応じての料金になるので、値付けが難しいです。
実際やってみないと難易度や業務量がわからないこともあるので、明示していた料金に見合わないこともあり得ます。
保険をかけて「○○円~」とあいまいに表示する手もありますし、他の税理士や士業を見ていると実際そういうケースも少なくありません。
ただ、お客さまからしてみたら請求がくるまでいくらなのかわからない、というのは怖いでしょう。
あとからとんでもない金額を請求されるのでは、と思うと仕事を頼みたくないでしょうし、だまし討ちのようなことは私もやりたくありません。
依頼する側の立場をわかるからこそ、検討しているかたの不安を少しでも減らしたいと思っています。
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