ビジネスでは税金を過剰に嫌わずお金を残すようにする
- 2021.12.14
- 節税
できれば税金は少なくしたい、払いたくないと思うのが人の常でしょう。
しかし、ビジネスでは税金を嫌いすぎたせいでお金が残っていない、なんてことになるかもしれません。
税金は痛いが必要なものである
税金を納めることは義務ですし、その税金によって国や自治体が運営されます。
役所にいけば職員さんが対応してくれるのも、
道路がきれいに整備されてるのも、
保育園に子どもを預けられるのも税金のおかげです。
なので、税金を払うことは大切なことですし社会貢献の一環でもあります。
税金を払うことは大切なのですが、他方で個人や家庭、企業単位で考えると
税金を納めることは痛みであることも確かです。
痛みの度合いは人や会社によって違います。
たとえば、10万円の税金を払うとして、
年収300万円の人と年収3,000万円の人では
税金を払う痛みが違うでしょう。
ですので、一定の所得以下であれば税金が減額や免除してくれます。
また、税金を納める義務がある一方で、合法な範囲で節税をする権利もあります。
税金を払っているから偉い、払っていないからダメ、ということではなく、
各自が負担できる税金を適切に負担するのが良いでしょう。
税金を過剰に嫌うとお金が無くなる
節税によって税金の負担額を減らすのは悪いことではありません。
しかし、税金を過剰に嫌った節税は考えものかと。
それに足元で考えると結果的にお金が無くなることになるかもしれません。
税金は、利益、つまり「儲け」に対してかかります。
ですので節税とは、儲けを減らす方向にもっていくことです。
儲けを減らすには、通常
・売上を減らす
・経費を増やす
のどちらかです。
そして、どちらを選んでもお金が減ります。
売上が減れば入ってくるお金が減りますし、経費もお金を払うものです。
事業をしていて税金を払いたくないから売上を減らそう、
ということはあまりないでしょうから経費を増やすことになります。
仮に利益100万円だったとき、税金を減らすために経費を100万円使えば
利益が0円になるので税金も0円です。(ここでは法人住民税は無視します。)
確かに税金は0円になりました。
しかし、経費で100万円使ってしまったので手元に残っているお金も0円です。
他方、利益100万円のまま税金を払えば、(税率30%なら)税金が30万円になります。
税金を払うことになりますが、100万円から税金で30万円払って、残り70万円のお金が手元に残ります。
このように、税金を払いたくないからと過剰に節税した結果、
節税しなかった場合よりお金が残らないことになります。
節税するよりお金を残すことが大切
たとえば、ありがちな節税の方法として、
1年分の事務所家賃を前払いしたり、
「使うかもしれない」備品を買ったりすることがあります。
どうせ将来的に払うお金なら今払っても同じですし、
さらに払ったその年度は、経費が増えるので税金も減らせます。
何の問題もないように見えます。
しかし、先にお金を払うということは資金繰りが一気に悪くなります。
特に家賃の1年分なら少なくとも100万円以上するでしょう。
もし、仮に前払いした後に資金繰りが厳しくなっても前払いした家賃は返してもらえません。
では、どうするか。
銀行でお金を借りればいい、確かにそうです。
でも貸してほしいときに貸してくれるとは限りません。
「お金がないから貸してほしい」と素直に話して銀行が喜んで貸してくれるか、推して知るべしです。
貸してくれなければ、事務所を引き払って前払いの家賃を返してもらうのでしょうか。
目先の得(税金が減る)だけに飛びつくと痛い目を見ることになり得ます。
ビジネスでは手元にお金があることが大切です。
そのお金を失ってまで何のために節税をするのか、節税を行う前に考えるべきでしょう。
【編集後記】
午前中は次女のお宮参りへ。
午後はブログの執筆と、freeeでお客さまの年末調整の入力、
自分で加入している生命保険の見直しを。
生命保険は今はいらないものがあったので、節税と同じで
何のために加入しているか振り返るのが大切だなと。
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