大手事務所や特化型事務所の経験は独立、転職に有利なのか?
- 2021.11.05
- 独立
経験してみたい業務がある、また、それを活かして将来的に転職や独立を考えているなら、事務所選びとともにその経験の活かし方を考えておくのも大切だと思います。
税理士事務所の規模は意外と小さい
一般的な税理士事務所の規模はあまり大きくありません。
5名未満の事務所が一番多いといわれています。
誰も雇わず仕事をしている、ひとり税理士の私もここになります。
10人未満になると全体の9割ほどのようです。
5名以上10名未満なら中規模と言えるでしょう。
一方で、従業員が何百人もいて事業所をいくつも出している大手事務所もあります。
規模の大小で業務内容も多少変わります。
従業員数10名未満の中小規模の事務所ならオーソドックスな税理士業務、お客さまの担当になって会計データのチェックから相談、申告書の作成までを自分が行うのが一般的かと。
一方、大手になると業務分担がされることがあるようです。
たとえば会計データを入力する人、法人税の申告書を作成する人、という感じです。
どちらが優れているということではなく、規模感や事務所の考え方で仕事のやり方や経験できる業務が違うわけです。
大手や特化型事務所なら特殊な案件に携われる
事務所の規模の大小で優劣は無いと思います。
ただ、大手の方がお客さまの数は多いでしょう。
ですので珍しい案件、難しい案件に出会える確率は高いでしょう。
色々な経験を積みたい、と思っているなら大手の事務所に就職するのもありでしょう。
また、最近では、「相続税専門」「国際税務に特化」など専門分野に特化した事務所があります。
一般的な事務所だと、相続や国際税務の業務をすることはあまりないでしょうから、こういった業務をやりたい方は特化型事務所に就職、転職するのが良いでしょう。
特に一般的な事務所で経験できない仕事をすれば、それだけ自分の強みになります。
独立、転職で強みになるとは限らない
大手や特化型事務所なら経験が積めて自分の強みになると思います。
しかし、もし独立や転職を考えるとその強みを活かせないかもしれません。
たとえば、独立する場合。
「相続専門の事務所にいたから相続の仕事で稼ぐぞ!」と思っても、独立してすぐに相続の依頼があるとは限りません。
となると、相続案件が来るまでの間はオーソドックスな税理士業をする必要もあるでしょう。
そんなとき、オーソドックスな税理士業を経験していないと苦労するでしょう。
1から勉強すればいいとも言えますし、すべてが完璧な状態で独立なんてできませんから、割り切りも必要ですが。
また、大手で業務分担していた場合。
法人税の申告書作成なら自信があっても、それ以外の業務をほとんどやっていないとこちらも苦労するでしょう。
大手事務所だとお客さまも規模が大きいことが多いので、税法に精通した担当者がいたり、資料が整理されていることでしょう。
これが中小企業となると、同じように考えてはいけません。
いままで経験したことがない苦労や驚きがあるでしょう。
転職するにしても、「うちでは相続も国際税務もやらないよ」と言われたら、せっかくの強みである専門分野を知識を活かせないかもしれません。
もし、大手や特化型事務所の経験を活かして独立、転職すると考えている場合は、活かし方も大切かと思います。
【編集後記】
電子帳簿保存法の改正、制度は理解していますが対応システムの理解が難しいです。
各社それぞれのやり方で対応しているので、どのシステムがどの範囲まで対応しているのか把握が難しく。
今日は、お客さまに対応システムを教えていただきました。
・長女(4歳)
以前行ったディズニーシーが楽しかったようで、時折「また行きたいね」、と言っています。
今度は下の娘が小さいから一緒にアトラクションに乗ってあげるのと、すっかり面倒見の良いお姉さんに。
・次女(0歳)
日を追うごとに長女に似てきてます。
もう一度長女を育てているような不思議な感覚です。
-
前の記事
値段だけで比較されたら仕方ない 2021.11.04
-
次の記事
必要な売上が分かれば無理に売上を追わなくていい 2021.11.08